Big Blue Bear (青い熊) が見守るコンベンションセンターとは?
さて、今回からはいよいよ世界大会そのものについてじっくりと振り返っていきたいと思います!
今回はまず、会場となったコンベンションセンターについてご紹介します。
毎年、世界各地から何千人ものバーバーショッパーが集まるBHS International Convention(BHS世界大会)。
今回の会場であるコロラド・コンベンションセンターは、デンバーのダウンタウン南端に位置し、市街地のブロック一つ分の広さを誇ります。
総面積は約 20万4,000平方メートルにおよび、3つのボールルームと63の会議室を備えた、アメリカ国内でも有数の大規模コンベンション施設です。
その中にある劇場施設、Bellco Theatre(ベルコ・シアター) が今回の大会の舞台となりました。
そしてコンベンションセンターのメインエントランス近くには、センターの中を覗き込むようにそびえ立つ、巨大な青い熊の彫刻が!
“I See What You Mean(君の言いたいことがわかる)” というタイトルがついたこの作品は、ロッキー山脈に生息するアメリカクロクマに着想を得て、デンバー大学で教鞭をとっていた Lawrence Argent氏によって2005年に制作されました。
高さ約12メートルのこの青い熊さんは、今やコンベンションセンターだけでなく、デンバーのシンボル的存在になっています。
北側のメインエントランスを通ってから、約5分ほど歩くと、ようやくコンベンションセンターの南側に到着します。
ここには、カルテットやコーラスのコンテスト会場となるBellco Theatreがあり、その手前には出演後のインタビューが行われる撮影セット、さらに階上にはレジストレーション(受付)デスクと、グッズ販売コーナーの Marketplace(マーケットプレイス)があります。
出演者や観覧者は、まずレジストレーションデスクで受付を行い、自分の名前・所属団体・会場での座席番号が記されたネームタグを受け取ります。
参加者は全員、事前にオンラインで登録を済ませているため、受付では名前を伝えるだけ。
初めての参加者を示す “First Time Attendee” と書かれたシールも配られており、The Lockersメンバーの多くはこのシールをネームタグに誇らしげに(?)貼っていました!
なお、 コンベンション期間中はこのネームタグを毎日着用する必要があり、参加者の証として常に首から下げて過ごします。
会場の外に出てもこのタグを下げている人が街中にたくさんいるので、コンベンションに参加している人と一目でわかります。
マーケットプレイスには、BHSロゴ入りのTシャツやネックホルダー、マグカップやピンバッジ、楽譜、ピッチパイプなど、バーバーショッパー垂涎のグッズがずらり。
The Lockersのメンバーたちも、目を輝かせながらショッピングを楽しんでいました。
ちなみに、今回の大会のために作られたデンバーのロゴが入れられたグッズは、早いうちに売り切れていました。
メインエントランスから Bellco Theatre のある南側へ向かう通路には、いくつかの小ホールと数多くの会議室が並んでいます。
これらの会議室は、出場コーラスのリハーサル室として使用されており、各コーラスのリハーサルスケジュールは公開されています。
そのため、誰でも自由に出入りしてリハーサルを見学できるのです!
世界の名だたる強豪コーラスのリハーサルを連日間近で見られるなんて―まさに贅沢の極みでした。
私たちは、前述のMicahが所属する地元コーラス Sound of the Rockiesのご厚意により、この会議室のうちの一室をリハーサル室として使わせていただくことができました。会議室だけでなく、なんとライザーも使わせてくれたSound of the Rockiesには本当に足を向けて寝られません。
今回のアメリカ遠征で我々が出演したステージは、Sound of the Rockies が主催する “Harmony Without Borders” ショウを皮切りに、全部で4つ。
ほぼ毎日のようにこのリハーサル室で練習を重ね、さまざまなレジェンドたちからコーチングを受けることができました。
リハーサルやコーチングの様子については、このあと公開予定の記事でご紹介しますのでお楽しみに!
想像以上にスケール大!のBellco Theatre
コンベンション会場である Bellco Theatre は、なんと2階席がないにもかかわらず、規定席数5,000席を誇る大ホール。
ステージの左右には大きなスクリーンが設置され、客席中央付近からのプロジェクターで、ステージのアップ映像や休演中のCMなどが映し出されます。
後から分かったことですが、ステージにはおよそ8本のマイクが吊り下げられており、前方と上方(!)には返し用のスピーカーも設置されていました。
カルテットの演奏時にはもちろん、中央にステージマイクが置かれます。
この広大なシアターが、コンベンション最終日にはほぼ満席に!客席は人でぎっしり埋まり、まさに世界大会の名にふさわしい熱気でした。
数日間にわたるコンベンションでは様々なイベントが終日行われます。実はバーバーショップにまつわるイベントはコンベンションセンター内だけでなく、周囲のホテルや商業施設などでも行われるため、まさにダウンタウン全体がバーバーショップのお祭り状態です。
中でもやはり目玉となるのがカルテットとコーラスのコンテストですが、Bellco Theatreでは、
カルテットクォーターファイナル(準々決勝)
カルテットセミファイナル(準決勝)
コーラスコンテスト
カルテットファイナル(決勝)
と、ステージイベントが朝から晩まで連日続きます。
それでもさすがに全てを観覧する人は少ないようで、観客たちはお目当てのステージを観た後、街に出たり観光に出かけたりとそれぞれの楽しみ方をしているようでした。
会場のあちこちでは、人を見つけてはその場で一緒に Tag(タグ) を歌う姿も。有名人に積極的に話しかけ、タグを歌っている強者メンバーもいました。
廊下の片隅やロビーで、自然発生的にハーモニーが生まれていく——そんな光景もまた、コンベンションならではの魅力です。
コンベンションセンターの中の様子、少しは伝わったでしょうか?
筆者が実際に感じたのは、想像よりもリフレッシュメントスポット(飲食エリア)が少なかったということ。
軽食や飲み物を販売しているスタンドはあるものの、閉まる時間が早く、コンベンション自体は朝から夜遅くまで続くため、「もう少し遅くまで開いているカフェやレストランがあればいいのに…」と思わずにはいられませんでした。
正直、日本のコンビニが恋しくなった瞬間です(笑)。
幸いなことに、会場の周囲にはたくさんのカフェやレストランがありました。
一方で、飲料については会場内のあちこちにミネラルウォーターを汲めるステーションがあり、持参したウォーターボトルに水を補充する人の列ができていたのが印象的でした。
長時間にわたるイベントならではの光景ですね。
さて、次回のブログでは、リハーサルの様子や会場でのイベントについてご紹介します。どうぞお楽しみに!
Text & Editing:Setsu/Contributor:Akky