Denver : The Mile High City (デンバー:標高1マイルの都市)
毎年アメリカの異なる都市で開かれるBHS国際大会。今年2025年の開催地は、標高1マイルの都市として知られるコロラド州の州都・デンバーでした。
全米一標高が高い州にあるデンバーの標高は約1,600m、高地トレーニングで知られるボルダーも近くにある、空気の澄んだ街です。
市外から来る人は体調によっては軽い高山病を感じることもあり、市内には酸素バーや携帯酸素の販売など、観光客向けの対策も整っています。
デンバー国際空港からコンベンション会場のあるダウンタウンまでは電車で約45分。
ダウンタウンは徒歩でも十分まわれるコンパクトな街ですが、バスや路面電車に加えて、電動キックボードもよく見かけます。
アメリカのキックボードは、決まったレンタル・返却拠点がなく、好きな場所で借りて好きな場所に乗り捨てられる仕組み。そのため、道端に無造作に横たわるキックボードの光景も、なかなか印象的でした。
電車に乗るときは、スマホアプリで1日乗車券を買って、検札のときに画面を見せるスタイル。こちらも日本とは違っていて新鮮でした。
ダウンタウンは碁盤の目のように整った道路に通り名が並び、街歩きのたびに小さな探検気分が味わえます。観光やショッピングに便利な施設がコンパクトに集まっているため、練習や本番の合間にも皆で気軽に出かけていました。
スポーツの街ならではの観光
実はデンバーは、アメリカ4大スポーツ(アメリカンフットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケー)すべてのプロチームが揃う数少ない都市。コンベンションセンター近くのユニオンステーション周辺には、メジャーリーグMLBのコロラド・ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドがあり、自由時間にヒューストン・アストロズ戦を観に行ったメンバーもいました。
ちなみに、このクアーズとはビールメーカーの名称であり、車で1時間ほどのところに体験ツアーもできる醸造所があります。
我らがコーチのRoger Ross氏を交えて、アメリカン・フットボールNFLのデンバー・ブロンコスの本拠地、エンパワーフィールド・アット・マイルハイというスタジアムのツアーにも参加。
アメフトにとって7月はシーズンオフですが、ここでは通年でスタジアムツアーを実施しており、所要時間は約1時間、料金は45ドル(約7,500円)。到着したスタジアムは想像以上のスケールで、長年のブロンコスファンであるメンバーは、興奮を隠しきれませんでした。
普段は立ち入れないロッカールームやグラウンドレベル(この日は改装中で人工芝が剥がされ、コンクリートの状態)まで見学でき、大満足の内容でした。
コロラドの壮大な自然を楽しむアクティビティ
レッド・ロックス公園&野外劇場は、巨大な赤い岩に囲まれた自然の地形をそのまま利用した野外コンサート会場です。
最大の特徴は、自然の岩壁が生み出す抜群の音響効果と、ステージの背後に広がる絶景。
ビートルズやU2、ブルース・スプリングスティーンなど、名だたるアーティストがここで演奏してきた歴史があり、音楽ファンにとっては聖地のような場所です。
また、昼間は観光スポットとして一般開放され、ハイキングやヨガイベントも行われています。
「蛇注意」の看板に描かれた模様とメンバーのシャツ柄が偶然一致し、記念写真を撮るという笑い話も。山頂ではTagを歌い、通りがかりの方に動画を撮影してもらう一幕もありました。いきなり歌い出した私たちに驚きつつも笑顔で撮ってくれたおかげで、忘れられない映像が残りました。
ロッキー山脈を駆け抜ける絶景体験 ― ジップラインとジョージタウン・ループ鉄道
標高約2,300mのロッキー山脈で、スリル満点のジップラインに挑戦したメンバーも。
デンバー中心部から車で約30分、山麓の豊かな自然に設置されたコースは、高さ最大約76m、全長約2.5kmに及ぶ6本のジップラインから成り、デンバー最長・最速(最高時速約96km/h)を誇ります。高度やスピードだけでなく、景色の美しさも魅力で、アルパインの森や川の上空を飛ぶたび、眼下に広がる山岳風景が非日常を演出してくれました。
デンバー郊外の標高約2,600mの山間にある Georgetown Loop Railroad(ジョージタウン・ループ鉄道) は、19世紀の金鉱時代の雰囲気を今に伝える観光列車。蒸気機関車に揺られながら、標高差約200mの山岳地帯をゆったりと進み、当時の鉱山の歴史や文化に触れることができます。ルートのハイライトは、渓谷をまたぐ高さ約30mの高架橋を渡る瞬間。眼下に広がる山や川の絶景と、鉄橋特有のスリルが相まって、まるで西部開拓時代を旅しているような感覚を味わえる、大満足のアトラクションでした。
街歩きと食の楽しみ
コンベンションセンターから車で10分ほどのワシントンパークは、朝の散歩にぴったり。
緑が多く開放的で、上半身裸でランニングする逞しい男性たちに「アメリカだなぁ」と感じさせられました。
食事はアメリカらしさを満喫すべく、ステーキやハンバーガー、サンドイッチにシカゴピザ。
さらにはメキシカンやギリシャ料理まで幅広くトライしました。
さすがアメリカ、とにかく一皿のボリュームがすごい。食べきれない分は、迷わず持ち帰って夜食や翌日の軽食にできるのが、現地流。二度楽しめるのも悪くありません。
水やドリンクは、もっぱらセブンイレブン頼み。デンバーはとても乾燥しているので、こまめな水分補給が必須です。
1Lのミネラルウォーターが2本で4ドル(2025年7月現在で約600円)と聞くと「高い!」と思うかもしれませんが、500mlが3.50ドルもすることを考えれば、むしろお得。とはいえ、円安の今はレジで表示される金額を日本円に直すと、つい「えっ」と声が出そうになるレベル。それでも、「日本円に換算しない」という自分ルールを守り抜き、感覚を麻痺させながら無事乗り切りました。
音楽の街を感じる瞬間
コンベンション会場近くのアーツコンプレックス内にあるガレリアは、ガラス屋根に覆われた屋外スペースで、近隣の劇場やレストラン、駐車場、彫刻公園などをつなぐ歩行者用通路です。
イベントの開演前や終演後は観客の活気と喜びに包まれ、夏の夜には地元音楽を楽しめるポップアップ・ハッピーアワーも開催されます。
ここでBHSが開催した、Polecatの曲を皆で歌う MEGAsingというイベントが、コンベンション中に開催されました。曲名を掲げるスタッフ、指揮者、そしてガレリアの各階に分かれて歌う参加者たち。練習なしの一発勝負でしたが、普段我々がウォームアップで歌っている「Heart of My Heart」だけは自信を持って歌え、ちょっと誇らしい気持ちになりました。
スポーツ、自然、音楽、そして仲間との時間。デンバーはそれらすべてを徒歩圏から少し足を延ばした範囲で楽しめる街でした。
コンベンションの合間に訪れた数々の場所と出来事が、滞在をより鮮やかなものにしてくれました。
Text & Editing:Setsu/Contributors:Peyton, Mimi